Baba au rhum


リヨンのビストロで一番人気なデセールが、黒板に帰ってきたよ。

今日も朝イチで、ババ生地を捏ねる作業から。
写真は、発酵生地がコルク型に焼き上がる瞬間

店中がバターの香りで満たされる♡


誕生は18世紀初頭のフランス。
なんと、ルイ15世のもとに娘を嫁がせた父親が考案したデセールなんだ。

栄華を極めたヴェルサイユ。
王にはたくさんの妃がいて、それは分かってたことなんだけど、
愛する娘が、王の寵愛をもっとも受けられるようにと願う父親には、ある作戦があった。

「胃袋をつかめば強いぞ大作戦!」

そのために、腕のいい料理人や菓子職人をヴェルサイユの娘のもとへ どんどん送り込む。
美味しいもので王の心を捉まえようとしたんだね。

娘の元にいれば、こんなにうまいものが食べられるぞ、と。

この父親は、ロレーヌ公国レクチンスキ公

とにかく美食家で有名で、
マドレーヌやマカロンのルーツを調べると彼の名前が出てくるほどなんだ。



そしてそんな彼がある日、好物のクグロフを食べようとしたら、
カッチカチに硬くなってて、とても食べられたものじゃなかった。
困ったレクチンスキ公。
そこで、試しにブランデーをかけてふやかしたら、それが
な、なんと、驚くほど、うまい!

これをヒントにお抱え菓子職人に作らせたのが、
Baba au rhum ババ・オ・ロム ってわけ。
このご機嫌なお菓子を引っ提げて、菓子職人がヴェルサイユの娘のもとへ。


Baba au rhum
ババ・オ・ロム
もちろん、追いラムも出来るぞ!やったね!
めざせ、食べる食後酒。
好みでバシャバシャやってください。
でも加減しないと、ほんとに酔っぱらうからね。

Baba ババ は、
卵とバターをたっぷり使ってコルク型に焼き上げたリッチな発酵生地。ブリオッシュをイメージすると近いかな。
で、rhum ロム はラム酒のこと。
つまり、Baba ババ に ラム酒シロップをたっぷりと吸わせた「お酒のきいた…」、というより、もはや「食べる食後酒」 みたいなデセールだ。

添えてある生クリームだって もちろん ただの飾りじゃない。
生クリームをたっぷり絡めて頬張るからこそ、このデセールの美味しさは成立する。
じゅわって染みたババをナイフで切って、ホイップクリームを絡めて、大胆にパクリ!
ん~、この芳醇な香り~♡、ハマっちゃう理由、分かる分かる~⤴⤴



 - でもなんで “ Baba ”って名前なの?

いい質問だね。
実は、レクチンスキ公はアラビアンナイト(千夜一夜物語)の大ファンで、
その中のエピソードのひとつ、アリ・ババ がお気に入りだったとか。
美味しかったデセールにその名前を付けちゃうなんて、
よっぽど好きだったんだろうね。なんだか可愛らしいお父さまでしょ。



Baba のオーダーが入ると、まるで、レクチンスキ公のお抱え菓子職人になった気分。
 - 旦那様に喜ばれる美味しいババを仕上げるぞ! 

レクチンスキ公に倣って、一緒にブランデーを合わせるのもおすすめだ。Eau-de-vie 

アリ・ババと40人の盗賊 のストーリーを思い出しながら、じっくりとビストロの夜をお楽しみください。
開けゴマ!



NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef

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 Bistro Tableau Noir(←ホームページ)