Gâteau de vin cuit aux fruits rouges

どうも、シェフです。

今日は、ワイン産地に囲まれた リヨンならではのデセールを。

煮詰めた赤ワインと 赤いフルーツのガトー。
🍷🍓🍒

Gâteau de vin cuit
aux fruits rouges
(ガト ド ヴァンキュイ オ フリュイルージュ)
ヴァン・キュイガト


Gâteau de vin cuit
ガト ド ヴァンキュイ 

vin cuit = 煮詰めた赤ワイン の、gâteau = 焼いたお菓子。

vin cuit (ヴァン・キュイ)は、
アニス、シナモン、クローヴ、ヴァニラ、ハチミツ、レモンの皮を加えて
とろっとするまで煮詰めた赤ワインのこと。
ワイン産地ならではの魅惑的な魔法のソースだ。



数年前にこんなことが。

お客様から、
 - 使ってるヴァンキュイは、どのドメーヌのものなの?
って、黒板の このデセール名を見つけたときかな。興味津々って感じで聞いてきたから、

 - いえ、à la maison です。自家製です。
って何気に答えたら、ものすごく驚かれたんだ。

彼は、ワインの買い付けでフランスにも何度も足を運んでるお客様で、詳しく聞くと、ブルゴーニュでも、vin cuit を作ってるドメーヌが今は3つくらいしか残ってないんだって。

 - じゃ、当店は4つ目ですかね。
って大笑い。

そんなムッシュにも、もちろんこの自家製ヴァンキュイでつくる、自慢のガトーを堪能していただきました。




そんな僕のヴァンキュイはね、こんな感じで。

赤ワインに、アニス、シナモン、クローヴ、ヴァニラ、ハチミツ、レモンの皮を加えて
とろっとするまで時間をかけて煮詰めていく。

vin rouge, anis, cannelle, clous de girofle,
gousse de vanille, miel, zestes de citron
 

じっくり時間をかけて。

鍋肌にこびり付いたワインは、
焦げのにおいの原因になるから、
こまめに拭きとることも肝心。

フランス料理は、”煮詰める“仕事が多い。
凝縮させることで旨味を倍増させ、際立たせる。
そうか! 掛け算の美味しさなんだね。

アクを取りながらゆっくりと。


目安だけど、1/10 くらいまで煮詰めてこれくらい濃度がついたら完成だ。

そのままデセールのソースに使ったり、薄めて飲むこともできる。
ワイン産地ならではの魅惑的な魔法のソース。
フランスではタルトに仕立てた タルト オ ヴァンキュイ も定番だよね。知ってる人もいるかな。

この vin cuit (ヴァン・キュイ)をクリームの生地でまとめて
数種の赤いベリーのソースを底に敷いて焼き上げた、しっとり大人のガトー。

ワインと一緒に過ごした、リヨンの夜の締めくくりにぴったりでしょ。


甘酸っぱくてちょっぴりスパイスのきいた、
香り豊かなデセール。


失われそうなフランスの伝統の味が、
日本で味わえる。なんだか素敵じゃない?



ヴァンキュイの深い味わいにうっとりしちゃったら、寄り添うオ・ド・ヴィが必要だよね。
( → Eau-de-vie )
ボジョレでリヨンの夜を愉しんだそのあとは、
オ・ド・ヴィで始まる第二幕!

まだまだビストロナイトは終わらない。大人時間の始まりです。



NOSTALGIE × AUTHENTICITÉ
ランスよりもフランスらしく 受け継がれてきた本物の味を 
chef

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