soupe

お客様からこんな質問が。

「スープっていう言葉は品がない?
田舎のまずしい食事を連想?どういうこと?」

最近のブログにこんなことを書きました。


いつのころからか、貴族がSoupeという言葉は品がないって言い出したんだ。
きっと田舎のまずしい食事を連想させたんだろうね。


ちょっと説明を。
Soupe(スープ) という言葉に秘密があるんだ。

かつて、焼きたての美味しいパンなんて食べられなかった時代。
まとめて焼いた、真っ黒くカチカチのパンはそのままでは食べにくいから、
ミルクやブイヨン、時にはワインに浸して食べていたんだ。
もともと、“Soupeとは、この“液体に浸けてやわらかくしたパン” のこと。

Soupe (浸した)パン

それを火にかけて、パン粥のようにしても食べていただろうことは想像できるよね。
食材も一緒に煮込んで、チーズも加えて。
でもその時代はやっぱり、やわらかくなったパンそのものが“Soupe


それが14世紀になって、いまと同じように、液体をSoupeと呼ぶようになる。
肉や野菜をことこと煮込んだSoupeに、パンを浮かべて一緒に食べる。
もちろん裏ごしたりしなくて、具がごろごろしてるタイプ。
これがフランスの国民食と言っていいくらい、代表的な食事。
Soupe 一皿が食事そのものだったんだ。
日本でも食べられる、pot-au-feu(ポトフ)をイメージしてもらえるとわかりやすいかな。
もっともあんなに具だくさんなSoupeはご馳走だっただろうけどね。

17世紀末くらいになると宮廷ではよりエレガントに、Soupeを裏ごしたりして食べていた。
(ちなみに、それがpotage(ポタージュ)。じゃが芋やとうもろこしのスープみたいにドロッとしてるのも、コンソメみたいにさらっとしてるのもどっちもpotage(裏漉してるでしょ)。)

そして、Soupeという言葉は品がないって言い出して・・・。
田舎の食事とは違うことを明確にしたかったんだろうね。


でもオペラを満喫した後や、
飲んだ後のちょっと小腹がすいた冬の寒い夜。
熱々のSoupe à l'oignon(スープアロニョン)を食べたくなるその気持ち。

う~ん。わかるわかる。

でも、田舎くさいネーミングで注文したくない、
でもほんとは食べた~い!

フランス人の見栄と本音のせめぎあいから
Soupe” という言葉をやめて “Gratinée” に。

美味しいだけじゃない、
フランスらしいエピソードもなんとも愛らしい、
Gratinée à l'oignon (グラティネ ア ロニョン)

いまではスープという言葉が田舎くさいなんて感じないし、
悪いイメージなんてないけれどね。

スープにまつわるこんなエピソード。
食の言葉は、その国の文化、人の営みそのもの。
人々がそれだけ大切にしてたってことだね。



長くなりがちだね。
読むのも大変だから今日はこれくらいで。

chef

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